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| 組織とそれに属する個人で目的やその活動方針が一致しなくなった時、個人は葛藤し、そして。。。 評価: |
| 「組織」を辞書(goo国語辞書)で引いてみる。
特定の目的を達成するために、諸個人および諸集団に専門分化された役割を与え、その活動を統合・調整する仕組み。または、そうして構成された集団の全体。また、それを組み立てること。 本書は、外務大臣を頂点とする組織とそれに属した外交官(個人)の葛藤が描かれている。 組織の目的と個人の目的、もしくは、それを達成するための活動方針等が一致しない(しなくなった)場合、どうすればよいのか? 著者は、最終的に、イギリス外交官を辞し、自身の信じるところを実現するための組織を立ち上げた。 本書では、著者が、組織の一員としてのアイデンティティ(イギリス国家の代弁者である外交官であること、エリートであることを象徴すること等)を確立することの魅力やそれを脱ぎ捨てることの辛さ、反面、組織を辞し、自身の目的を達成するための組織を立ち上げたことで、抑えられていた自分のアイデンティティを取り戻していく利点を語っている。 本書を通して、私自身、外交官とは異なるが、会社という組織に属する一員として考えさせられることが多かった。 外交官に興味を抱く方だけでなく、金融不況により会社と社員の関係が問い直される現在、自身と組織の関係を見つめ直す一助になる本ではないかと感じた。 |
| 国家ではなく人類のために・・・ 評価: |
| とにかく、ハッとさせられました。
日常的に新聞を読み、ニュースを聞き、少なからず国際情勢のことに関心をもってきたつもりでしたが、 しかし、この本を読み、自分が本当の”国際社会の現実”をみじんも理解していなかったことに愕然としました。 読み始めるやいなや、すぐに自身のこれまでの常識や理解というものを根底から揺さぶられます。 私がエリートに対して抱いている安心感や、国際政治に対して抱いていた信頼感。 それら全てが幻想に過ぎないことを、作者がそのエリートである外交官として、国際政治の舞台で経験した事実を基に教えてくれます。 如何に国家とその国家の利益を追求する人々(政治家・エリート)が、私たちの”善”という価値観から かけ離れてるのかを知ることになります。 近いところでいえば、イラク戦争・アフガン侵攻について少しでもその大義や意義に疑念を 抱いた人がいれば、この本を読むべしです。私たちがどことなく信頼していたエリートや 強国を基軸とする国際社会の”ミスリード”によって、これらの戦争が生まれたものであることが、生々しく描かれています。 そして、今、国際社会で起きている様々な事象が、決して日本に住む私たちにとっても 他人事ではないことを、多くの事例とともに教えてくれています。 改めて日本国の一員として、また人類の一員として、 どう世界に関わっていくのかを考えさせられる作品です。 |
| 新たな外交へ 評価: |
| イラク侵攻、アフガニスタン侵攻、湾岸戦争など、イギリス外交官として経験した筆者が外交の裏側を語っている。外交機密に守られ、普段あまり明るみにでない外交官の日常を垣間みれる。さらに、外交官と一般市民の無責任な協定、自国の国益の駆け引きなどの問題を次々に指摘していく。
現在の外交構造では、環境問題や戦争などの問題を解決していくのは、困難であろう。今後の外交の世界をどのように変えていくことができるか、独立外交官の活躍に期待したい。 |
| 外交官の独立請負人 評価: |
| 独立請負人−Independent Contractor という働き方がある。ある組織に雇用契約ではなく、業務単位の契約を結んで仕事をするやりかたである。フリーターや派遣契約の首切りが問題化されているが、そもそも専門知識を持って高収入を得る働き方であった。
しかし、まさか独立請負人の外交官がいるとは予想もつかなかった。 外交官は外交機密に守られて、外交官の業務は謎のベールに包まれている。国益を守るために、外国の政府と日夜議論と説得をしていると信じている。しかしニュースに漏れてくるのは、外交機密費の流用、大使館員の優雅な生活などの話のような想像とはまったく違うものであった。 本書は、世界を統治して今なお国連安保理事国として強い立場をとる、イギリスの外交官の業務と日常生活、そして国連での国際議事を著者の視点で描いている。 外交官といっても日常の仕事はルーチンワークであり、自分の意見でなく政府の意見を外交の場で通すことにある。国対国の利益をどれだけ確保できるかを、本音と建前のポーカーゲームに費やされる。そこには、仕事に追われる余り国の利益を追求しても、国民一人一人の顔を浮かべながら少しでも国を良くしていこうと考える余裕もない。 そして著者は国連大使館員として、国連ではイラク問題、コソボ、ソマリアの問題ではどのように議事が進行したのかも教えてくれる。 国際間は、結局は国力どおしのぶつかり合いで民主主義はない。 安保常任理事国は厳然たる力を持ち、そうでない国は発言する機会すらない。 著者はそんな現実に絶望し、弱い国のための外交官として働くためのNPOを立ち上げ、イギリス国民でありながら、コソボ共和国のための外交官としてスタートした。プロ中のプロである独立外交官がどんな能力と責任があるかを考えれば、フリーターや派遣から独立請負人となる道も見えてくるかもしれない。 |
| 外交交渉の携わる人たちの行動原理とは? 評価: |
| 日頃触れることのない外交の舞台裏を元イギリス人外交官の経験を基に克明に書かれています。特に、大使館から外務省への通知文書の例や湾岸戦争時に於ける外交官の行動などについては、外交官が日頃どのようなことをしているのかをリアルに感じ取ることができました。
外国との交渉の際に重要なテーマとして貿易・安全保障・価値観という3つの軸を中心に交渉が進められる、とのことでしたが、国家としての軸をいかにぶらさずに交渉を成立させるか、が国としての外交の実力なのだと思います。似たようなことは、企業同士の交渉でも言えることで、そうした点では広い意味での交渉術の参考にもなります。 一点本書の難を言えば、タイトルにあるような国際政治の闇がテーマなのではなく、外交の舞台と国民一般の思いがかけ離れている、という点を筆者は伝えたかったのだと思います。その点についてタイトル(サブタイトル)が不適切内容に感じたので、星一つマイナスとさせていただきました。 |
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