徐庶、ホウ統、そして孔明。彼らは、かつては司馬徽の学問所で机を並べて切磋琢磨した学友であった。互いにライバル心はあったとしても、そこには憎悪はなかったはずである。それが、戦乱の中で、血で血を洗う死闘を演じることになるとは誰が予想したであろうか。手酷い裏切り、それに対する凄惨な復讐。彼らの関係はもはや修復不可能であった。
通常の三国志小説であれば、徐庶など途中で消えてしまうし、ホウ統も影が薄いので、こういった展開は非常に珍しく、作者の独創性の見せ所だと思います。江森三国志の徐庶は最終巻まで出てきますし、ホウ統も影が薄いどころのさわぎではありません。彼こそが、臥龍を地におとしめることになるのです。けれど、ホウ統の孔明への憎悪は故なきことではなく、むしろ堂々と正当性を主張できる気がします。孔明に対する罠をはりめぐらせるホウ統ですが、残念なことに、如何せんどん底を知らないお坊ちゃま育ちゆえ、最後のつめが甘かった。孔明がとったのは、人の血が通っているとは思えないほどの残酷な措置。そうと知りつつ、孔明の思惑通りに行動するフェイメイ。そうまでしなければ、孔明の中で生きることはできないのだから。
劉備陣営内部の権力闘争という、今まで誰も注目しなかった問題を描いた第二巻です。 |