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カーライル―世界最大級プライベート・エクイティ投資会社の日本戦略
鈴木 貴博
ダイヤモンド社
2008-05-16
価格 ¥ 1,890 (18pt) / ユーズド ¥ 450 定価 [¥ 1,890]
おすすめ平均:
コンサルティングファームよりプラベートエクイティ
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    カスタマーレビュー

    コンサルティングファームよりプラベートエクイティ 評価: stars-5.gif
    カーライルというとイラク戦争のころ、政治家と軍事関連企業の関係を取りざたされた企業である。またファンドというとマスコミなどを利用して買い占めた株を高値で売り抜けようとするグリーンメーラのようなイメージがあったがそれとは違うようである。もし事業再生ファンドが本書のようによい商品、よい技術をもちながら後継者不足・戦略不足・資金不足のために弱っている企業を支援するための会社であるなら、すばらしい。コンサルティングファームは戦略をつくったり、分析をするだけで、「はい、おしまい」であるがプライベートエクイティは利害をともにし、独り立ちできるまで現場の人と汗を流してくれるのなら、存在価値がある。いや後継者不足の日本の中小企業にはこうしたプライベートエクイティのような存在がもっと必要なのかもしれないと感じた。

    最近のMBOについて知らせてくれる 評価: stars-5.gif
    カーライルは米国に本拠を置く、プライベート・エクイティの代表格です。このプライベート・エクィティというあまり耳慣れないファンドの実態を教えてくれます。ヘッジファンドのように投資し、短期に利益を回収というのでなく、企業に投資して3〜5年間のうちに企業価値を上げて、利益を回収するファンドです。その投資は、現在の経営陣と話し合った上で友好的に行われ、投資後もカーライルが社外取締役などを派遣し、経営への関与、アドバイスも行います。
    この本は、カーライルの了承のうえ、トップにインタビューするなど取材しているので、全体がカーライル寄りというかカーライルのPRになっているのが欠点とも言えるでしょう。
    ところで、この本を読んで、目からうろこ、驚いたのはMBO(マネージメント・バイアウト)の最近の実情を書いている点だ。
    通常、MBOは経営陣による自社株購入などと訳され、経営者が株主から株を買い戻し、非上場となり、実質的にオーナー経営となるのが目的とされている。だが、カーライルが関与するMBOは少し違う。
    親会社が、ほかの部門を戦略的に中心としていて、子会社へ追加投資する余裕がないが、実は資金を投入すればその子会社の将来が有望な場合に、カーライルが資金を出して、いったん親会社などから株を買い戻し非上場化する。そして、新たに、現経営陣やカーライルなどが主要株主となり、親会社から独立して、投資、経営を行うのだ(経営陣は、ほぼそのまま)。
    いわば、子会社が「親離れ」し、新たな資金を獲得する手段としてMBOと、カーライルを利用するわけだ。
    このMBOによって、会社の経営がうまくいき、利益が出れば、再上場などをし、カーライルは持ち株を放出して、莫大な利益を得るという狙いだ。
    ただ、経営に失敗した場合はどうなるか?
    この本には書いてないが、その場合は、カーライルが、経営陣のすげかえ、もしくは、会社部門の一部の売却(全部の売却?)などで、損失を少なくするように行動するのではないか? この本では、東芝セラミックスなどMBOがうまくいった例が書かれているが、失敗のリスクもまた大きいのではないか。
    最近、経済記事でよく聞くMBOの実情を詳しく書いてある点だけでも、この本は読む価値があると思う。

    プライベート・エクイティに関する入門書 評価: stars-5.gif
    運用資産9兆円、世界最大級のプライベート・エクイティ、巨大ファンドに関する本。

    特に日本にフォーカスした内容になっている。

    東芝セラミックス(現コバレントマテリアル)、キトー、DDIポケット(現ウィルコム)、クオリカスなど、具体的なMBOのケースについて書かれているので非常に分かり易い。

    また、そもそもPEとは?という本質論についても書かれており、世界の中でのPEの意義について筆者の考えが書かれている。

    若干カーライル側に立ち過ぎた視点で書かれている点が気になるが。

    10年ほど前に出版されていたら、すばらしい内容だと感じました 評価: stars-5.gif
    読書の目的:
     プライベート・エクイティの日本戦略が知りたかったため。また、ルイス・ガースナー(前IBM CEO)が関わっている理由を知りたかった。

    読後感、感想:
     第6章以降は、流し読みでした。

     プライベート・エクイティの隆盛は、「超資本主義」で説明ができる。より良い選択肢を追い求める"消費者"と"投資者"は、IT化、国際金融の流動性の高まりから、大企業が注力していない分野・企業に対して、プライベート・エクイティという媒体・手段を経て、収益の最大化を望んだ、と理解しました。
     
     本書は、ガースナーがなぜカーライルに関わっているのかという導入から始まり、MBOの事例をいくつか取り上げ、その特徴と目的、今までに上げてきた成果を記述している。いわゆるコンサルティングよりも深く経営に関与し、いわゆる金融機関よりも戦略に重きをおいた査定(デューデリジェンス)を行う、といった特徴である。コーポレート・ガバナンス機能を持ち、長期的な視点で企業に期待する点など、他の金融機関にはない面について、取り上げている。
     
     カーライル(プライベート・エクイティの代表例)は、1987年から2007年末にいたるまでに、運用総額が500万ドルから811億ドル(16,220倍)、従業員数が8名から1009名(126倍)になるなど、この20年で規模が急速に拡大している。が、これは結果的に数字を倍率であらわしているだけで、今後の期待感を表すものではないと考える。
     
     10年ほど前に出版されていたら、すばらしい内容だと感じました。この現象はすでに現実になっており、これから継続的な発展はするものの、劇的な変化の前触れを示す兆候ではない、そう考えます。

    企業経営と金融の関係を学べる良書 評価: stars-5.gif
    本書は、タイトルのとおり、グローバル三大ファンドのひとつといわれるカーライルの理念と行動を、関係者に対する取材によって紹介した書物です。が、それらの紹介を通して、実は、プライベート・エクイティ・ファンドとはどのようなものか、いわゆるコーポレート・ガバナンスを含め株主と経営者の関係はどのようにあるべきか、企業価値の増大のために資金及びその他の経営資源をどのように利用することができるのか、といったテーマを解説した内容になっています。結果として、企業経営と金融の関係を非常に判りやすく学べる良書となっていると思いました。


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