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| あえて言わせてもらうが 評価: |
| 桜庭一樹の小説は何冊か読んでいて、どれも面白い部類には入ると思う。 この作品も第一章から引きずりこまれるように読んでしまい、面白いといえるものではあった。 しかし、はっきりいってそれだけである。 独特の世界観を押しつけられただけのような気もした。 それに桜庭一樹の小説はどれも似通っていて、読んでいて憂鬱になるときがある。同じ人が書いている小説とは似るものであるとは分かっているが、似すぎではないだろうか。 これでは、この作品を読んで良かったとは思えない。 面白いが、読んでも読まなくてもいいような作品であったのが残念である。 |
| 独特の雰囲気を醸し出している作品 評価: |
| まず読んで真っ先に感じたのは
舞台が閉鎖的環境(キリスト教系の女子校)のため 文章が特有の雰囲気を放っていることです。 でも、それでいて読みにくいということは決してありませんでした。 そんな閉鎖的環境の中の さらに謎に包まれたクラブ「読書クラブ」 ここではさまざまな事件が起こってきていたのです。 最初だけはちょっとさわり的なものがあるので 読みづらいかもしれませんが 本編に入ると面白さに気づくはずです。 |
| 聖マリアナ帝国の興亡 評価: |
| と、いった内容でしょうか。少女だけの国である女子高の100年史であり、創立から共学校に移行し、女子高としての幕が下りる1年前までが描かれています。
ですが、ミッションスクールの大多数たる女子高生たちは、大衆=民衆として描かれているのみで、中心になっているのは、読書クラブの面々です。読書クラブ員は、マイノリティ集団かつ、女子の集団の異端です。ですが、精神的貴族たる彼女らは、目立たないながらも、女子高の歴史を裏面で動かしています。 その異端である読書クラブの面々は、自分自身に疑問を持つ少女たちです。 他の民衆たる女子集団のように、自分自身をごく簡単に肯定し、疑ったりすることのない少女達と違って、読書クラブ員は、自分に疑問や、生き難さなどを感じている少女たちです。そうして、読書によって理論武装をするのですが、そんな自分達が、世間的には「可愛い女の子」ではないことを当人たちは知っているんですね。それで、自分たちをマイノリティと認識し、目立たないようにしている。そんな大人しい彼女達が、ある意味、学園の暗黒部分を背負っているのです。 積極的に、その「暗黒」を利用して、戦いにうって出たのは、妹尾アザミというヒロインただ一人。あとは、大人しく巻き込まれながら、マイノリティとして過ごしています。そして、最後の読書クラブ員は、たったの一人。そういう「暗黒」の衰亡が、そのまま女子高の終焉と重なります。 全体として、何とも不思議な味のある小説でした。 |
| 少女と異端 評価: |
| 「少女の世界」では、醜いものは「異端」、女っぽすぎるものも「異端」。
男との恋愛は少女の価値を下げる。 性の存在に気づきながら、それを曖昧にすることで「世界」を維持している。 その「世界」を創った人物が実は…という構造も象徴的だ。 時代とともに移り変わり、ついには崩壊に向かう「世界」の中で、常に当事者でありながら観察者であり、記録者であり続けた「異端」の読書クラブだけが不変であり続けることを予感させる。 読書クラブこそがそもそも「世界」の母体であることを考えると、その結末は意味深い。 |
| 面白いと思う、が 評価: |
| 山の手のカトリックの女子校、世間の人にはよく見えない小さな社会。その正史に現れない少女たちの50年史。
名前の美しさ、主人公たちの少年のような語り口。外国文学とのリンク。ひと息で読み進めました。原作を手に取りたくなる作品だと。 でも少々違和感。これは何だろう。 私は作者がどのような方かよく存じませんが、おそらく彼女は、そういう世界に身をおいたことはないのだろうなぁ、と思います。だから書けるのだと思うのですが。 特に創立者・聖マリアナの過去が非常にわくわくするものであったとしても、現実のカトリックでの聖人の扱いや、教会組織、修道院や修道会のあり方などに、誤解と無理解があるように思います。村でただ一人の敬虔な助祭の娘、ってあなた、何気なく書いてますが、それはカトリック的にはスキャンダラスな話で、それだけでマリアナという少女は…ってことをご存知ないのでしょう、と。 日本のカトリックの女子校については多少お調べになったようですが。 確かに、私の指摘は似たような環境の内にいた者の違和感であり、細部に過ぎないのだと思います。 そういう点を差し引いてもなお、面白く読みました。 |
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