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| 魔女とは何か 評価: |
| いつの世も女性は抑圧の中で生きています。肉体も精神も「女」という枠に押し込められ、男性諸氏が気づかない重圧を日々感じ、枠組みの中で生きるように定められています。この呪縛は強烈なものですが、その中で、抑圧の枠組みから自分を解放することができた存在が、魔女ではないでしょうか。抑圧する側、それは時代と場所により様々ですが、つまり世間にとっては、彼女たちは抑圧されてくれないから恐ろしい存在なのです。忌むべき逸脱者であり、だから魔女なのです。
彼女たちには抑圧の構造の外にあるものが見えています。世界を紡ぐ糸が見えています。それが見えるようになるには、世界の本質を感じなければなりません。自分自身の感性で世界を確かめ、そして、自分と世界が繋がっていることを肉体で感じ取らなければいけません。この本は枠組みから自分を解き放った女性達の物語であり、現代社会で感性を磨耗させながら生きている私たちも皆、彼女たちの眷属なのだと教えてくれました。 この著者の作品は、溢れるイメージの奔流を漫画の文法内にきっちり落とし込むことができる、その表現力がとにかく取り沙汰されるのですが、個人的には、この画力がなかったとしても『魔女』は一番好きな漫画です。五十嵐さん本当に有難う。 |
| 購入前の注意…か? 評価: |
| コミックスの帯に作中の名ゼリフが書かれちゃってるんで…。帯を見らズに読み始めた方がより楽しめますわよ。 |
| 気がつけば涙を流していた「PETRA GENITALIX」の話に、星七つ 評価: |
| この地球を構成している大地と海、空、月と、不思議な能力を持った登場人物の女が交感し、共振する姿を描いた話がふたつ。どちらの話にも、トーチ(たいまつ)が手渡されるかのように、不思議な力(呪術的な能力)が人から人へ受け継がれていく様子が描かれていて、素敵でしたね。
「生殖の石」を意味する「PETRA GENITALIX(ペトラ・ゲニタリクス)」の話。大いなる魔女ミラが、少女アリシアにとってかけがえのない人に変わっていく。そこが、とてもよかった。とりわけ、最初のほうで、椅子に座った霊的な存在を描いたシーンが、ずっとあとになって効いてくる魔法が素晴らしかったなあ。何かあたたかなもので心が満たされた感じ。ラストのほうで、涙がこぼれました。 次の「うたぬすびと」は、日本の南の海と島を舞台に、主人公の少女ひなたが不思議な力に目覚める話。前の話もそうだったけれど、作者の最新刊『海獣の子供』と響き合う雰囲気、空気感みたいなものを感じましたね。ひなたの中で、こちらとあちらの境界がはじけて融け合うシーンが印象的。 おしまいに、掌篇「ビーチ」を収録。沖縄の八重山諸島が舞台かなあ。南の島の風と海の香りが、さーっと運ばれてきたみたいな。池上永一のファンタジー小説『風車祭(カジマヤー)』『バガージマヌパナス』の話に、よく似た雰囲気を感じました。 |
| 見るものとの体験を共有する 評価: |
| 魔女連作の完結作品を読んで、ものすごい画力に改めて感服した。
そして、画力を徹底的に描き込む力業に向けるのは魔女2巻目の途中で卒業して、 もっととんでもない方向に進化させているようだ。 魔女見習いの少女アリシアはいう。 「いちども空をみたことがない人が『晴れた空が青い』と言ったら、言葉はまちがってなくても、それはウソ」 そのウソをさけるために、作者はモノクロ線画の絵で、 絵を見た人自身の類似の記憶を呼び覚まし、その人にとっての 「本当」の色のある風景を脳内で合成させる方法に進んでいるのではないか。 いろんな景色を、海を、いろんなときに見てきた私の記憶の中の 「色」が「青」が、五十嵐作品の一コマ一コマで、鮮やかに呼び戻される。 なかなか幸福な体験である。 |
| 1より更にパワーアップした作者の世界 評価: |
| 独特のセンスと飛びぬけた画力、漫画家としてトップクラスであることは言うまでもない。
彼の作品が読者をひきつけて放さないのは、世間や読者の価値観を揺さぶり楽しんでいるようなストーリー、そして実際揺さぶられるこの感覚。 これが癖になるからだと思う。 女性独特の美しさ・強さ・儚さ・汚さが、少し不思議な世界とともに語られる。 現代に住む「魔女」達のお話。 一作ごとに読みきりになっているので、二巻だけ買っても楽しめるのは嬉しい。 でも一冊買ってしまった人は必ずもう一冊も買うだろう。 一巻を読んでハマって、すぐに二巻を注文してしまった自分が断言します。 |
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