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| 小説以上小説以下。 評価: |
| 同じ女として、自分が果たせなかった夢を娘に託しつつ、
専業主婦である誇りを傷つけられまいとする母と、 唯一の理解者であり、自分のめざす姿であり、 しかし一方で“恐ろしいこと”をする父と、 頭脳明晰がゆえに妹に罵倒を浴びせなければ 生きていく不合理性を咀嚼できなかった兄。 そんな家族の中で、虚無感を抱きながら成長していく女の子、 それがナイトメアである。 賢くて、繊細で、だからこそこの世が生きづらくて、 せっせと彼女の内面世界を手紙に書いて“わたし”に送ってくる。 ただ、彼女の歩んだ道と、その心情を分析する、 小説家である“わたし”の言葉だけで語られていく物語。 すごく不思議な小説です。 というか、小説ではなく、別のジャンルの読み物のよう。 文章は2、3行で分けられ淡々と語られています。 女性性の本質や、女性の社会進出の問題などを 物語に転嫁しようとして、でも中途半端になってしまったような、 そんな感じがしました。正直、さるきちは消化不良を起こしました。 |
| subarashii 評価: |
| ナイトメアを通して「女性のありかたとは?」、「自分とはなにか?」、「現実とどう折り合っていくか?」を考えさせられる。 |
| 名評論家=名作家ならず。 評価: |
| 著者の『結婚の条件』や『幸福論』が好きだったので、読んでみました。
この作品は評論集ではなく小説なのですが、 まず読み始めた印象は「やけに散文っぽいなー」というもの。 一行一行の行間がやたら開いていて、これを詰めてしまうと この単行本は半分の薄さになってしまうので、 正直、単行本化にかなり無理があるなぁと言う感じがしました。 もちろん散文形式で行間がスカスカでも 内容が良ければまったく気にならないんですが、 内容がかなりうーん・・・という感じだったので コスパ的には非常に納得いかないという思いを抱いてしまいました。 ある作家の元に、“ナイトメア”と名乗る見知らぬ女子大生から手紙が届き、 その女子大生曰く「自分の中にはもう一つの声がある」と 告白する始まりはドラマめいていてスリリングなのですが、 その女子大生の家庭環境が、じつに手垢にまみれた設定で、どうしようもないほどに 《自己肯定できない環境に苛まれる女子という生き難い存在》という典型から脱却できていません。 最初の設定がこれである以上、その典型に終始した物語展開になっており さらに、その女子大生がどういう人生を辿るかは、 手紙による報告という一方的な内容でしか明かされません。 主人公の作家はそれに返信はせず、モノローグで自分の心情を述べるだけなんですが、 読み終わった感想としては、 「小説形式で敢えてこの話を発表する必要性があったのか?」というものでした。 勝手に苦しむ女子大生を洞察すれども関わらず、 という主人公の独白だけでは、ヤマもオチも成立し得ず、 この物語に見いだすべき発見がないのです。 革新的なフェミニズム論を発表し続ける心理学者が 手がけた小説が作中で描く女性像がここまで古くさいと、不安になります。 女がいつまでも受動的な不幸の装置だと思っているとしたら、むしろそれが不愉快。 中村うさぎさんのように、体当たりで自分を切り拓く人と 対談した意味がないじゃないか、と著者に軽く失望しました。 |
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